2020年08月の税務ニュース
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災害に関連する支出の税務上の取り扱い
法人及び個人事業者共通の取り扱い
- 災害により被害を受けた資産等
商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合は、その損失の金額が経費になります。その他被害を受けた資産の取り壊しや除去のための費用や土砂その他の障害物の除去のための費用も経費になります。 - 復旧のために支出する費用
被災した資産について原状回復のための費用は修繕費となります。被災前の状態を維持するための補強工事や土砂崩れ防止等のための費用についても修繕費とすることが出来ます。それ以外で資本的支出か修繕費か明らかでないものがある場合、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とすることも認められています。 - 従業員等に支給する災害見舞金等
被災した従業員等やその親族等に対して一定の基準のもと支給する見舞金等は福利厚生費として経費になります。また同等の事情にある専属下請先の従業員等やその親族等に対するものも同様の扱いとなります。 - 災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等
所属する同業団体等の構成員への一定の基準により同業団体等から賦課される分担金等はその支出する事業年度の経費になります。 - 災害による損失金の繰越し
赤字の翌事業年度への繰越は青色申告の場合しか出来ませんが、災害により棚卸資産や固定資産等に損害を受けた場合にはその損失額は青色申告でない事業年度であっても翌期以降に繰越すことが出来ます。(繰越期間:法人10年、個人事業者3年)
法人の取り扱い
- 取引先に対する災害見舞金等、売掛金等の免除等、低利又は無利息による融資
通常の見舞金や売掛金等の免除などのための支出については寄付金や交際費等に該当し、一定の限度額までしか経費として認めてもらえませんが、被災した取引先との取引関係の維持や回復のために支出したものであるときはその全額が経費として認められます。 - 自社製品等の被災者に対する提供
不特定多数の被災者を救援するために自社製品等を提供した場合には、その費用は寄付金又は交際費等に該当しないもの(広告宣伝費に準ずるもの)として全額が経費になります。
個人の取り扱い
- 個人が支払いを受ける災害見舞金
個人が受け取る災害見舞金は社会通念上相当(常識の範囲内)であれば税金の対象にはなりません。 - 低利又は無利息により生活資金の貸付けを受けた場合の経済的利益
災害により臨時的に経済的に生活が困窮した役員や従業員が使用者から受けた経済的利益については税金の対象になりません。
(国税庁ホームページより)